ほほ部における除皺術は、SMASを利用する下顔面のリフト(アゴのライン~、頚部(首)のリフト)と、鼻唇溝上部からほほ部内側の中顔面リフトに分けられます。SMASとは、顔の皮膚と表情筋の間にあり、表情筋と連動する線維状の膜のことです。
多くの場合、下顔面と中顔面はフェイスリフトとして同時に手術されますが、中顔面はSMASの発達が下顔面と異なるため、難易度が高い手術とされています。
中顔面においてもいくつかの筋肉の走行があり、SMASの層に含まれる下まぶたの眼輪筋は、ほほ骨骨膜から起こる大・小ほほ骨筋、上唇下制筋とつながっていません。そのため、単にSMASを引き上げても、すべての筋肉が引き上がるというわけではありません。さらに顔面神側前頭枝という神経の存在により、側頭部からのアプローチも制限されてしまいますので、外側上方への引き上げが難しくなります。また引き上げる方向を誤ると、つり目のようになり、目つきが変わってしまいますので、垂直方向に引き上げなければいけません。
中顔面におけるリフト=ミッドフェイスリフトについて多くの研究がなされ報告されてきたのは、剥離する層、引き上げすべき組織、その固定方法などさまざま可能性があるからです。
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コメカミ毛髪内に約3~4cmの切開を行い、眉毛外側、目尻、(ときにミッドフェイス)も改善します |
靭帯は、SMASを支える役目をしており、中顔面においては、SMASを耳前部よりほほ中央部に向かって剥離していく際に、途中何度引っ張っても十分な可動性を得られません。それは強固な靭帯(zygomatic ligament)が硬い線維組織としてほほ骨骨膜と真皮をつないでおり、中間に存在するSMASもほほ骨と強くつながっているからです。従って、強固な靭帯を切り離し、可動性を得ることが十分な効果を引き出すポイントです。この靭帯を、一旦切り離さないとほほ上部の脂肪(malar fat)を引き上げても、皮膚はほとんど吊り上がりません。そのため、中顔面においては、靭帯を大ほほ骨筋から切り離し、ほほ上部の脂肪を剥離して引き上げます。
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<中顔面における解剖> SMASは眼輪筋下縁から口輪筋に向かって大頬骨筋上に存在するとされています。 |
アプローチする深さで以下の2種類の方法があります。術式はあなたの状態に応じてどちらかを選択します。
(1) Subperiosteal midface lift(骨膜下リフト):
側頭部からアプローチを行い、ほほ骨弓骨膜を上縁で切離して骨膜下に剥離を進めます。そして、上顎骨で骨膜を切り離してほほ骨筋の始まりの部分ごとに引き上げます。
(2) Composite rhytidectomy(複合リフト):
下眼瞼と側頭部からアプローチしますので、引き上げ方向は垂直と横方向になります。
中顔面のSMASを用いて引き上げる方法になります。下まぶたの剥離は、眼輪筋の裏面にある薄い脂肪層で行います。側頭部は頭髪の生え際を切開し、浅側頭筋膜上を剥離します。この層は神経を含みませんのでほほ骨弓を越えて、強固な靭帯を切り離すことが可能です。
顔面中部の筋肉、ほほ上部の脂肪(malar fat)、皮下組織、皮膚をまとめて引き上げます。眼輪筋の裏の薄い脂肪層(SOOF)からほほ上部の脂肪(malar fat)を吊り上げることが、ミッドフェイスリフトでは、最も大切なことです。